2020年、私達は一生に一度あるかないかのパンデミックをこのような形で体験するなんて誰が予想できたでしょう。
毎日のニュースで発表される内容にドキドキしながら、恐怖を感じてる人も少なくないと思います。
「いつになったら終息するの?」「いつまで私達は我慢すればいいの?」
みんながコロナが蔓延する前の生活に戻りたいと願っていますが、それはおそらく無理でしょう。
なぜならこれを機に世界各国が動き始め、従来の社会システムとは全く違う世界へ変貌を遂げようとしているからです。
なので僕達はこれから先、新しい環境に適応する為に普段の生活はもちろん、働き方、そして生き方そのものも変えていかなければなりません。
では今後の美容業界はどのように変わっていくのか?美容師さんはどんな意識で新時代を迎え入れればいいのか?
美容師歴16年の僕が今後の未来を予想しつつ、今やるべき事にフォーカスして皆さんとシェアできればと思います。
コロナ後→美容師大変革時代の到来
ではまず僕が考えるこれからの美容業界について、5つのカテゴリーに分けてまとめてみました。
- 大量倒産・大幅収入減は免れない現実
- 低単価サロンの衰退
- 会社に所属しないフリーの美容師が大量に誕生
- ”美容師×テクノロジー”が必須の時代
- 美容師×副業or美容師を副業にする新しい働き方

美容院の大量倒産・大幅収入減は免れない現実
既に新型コロナの影響を受けてる美容院がたくさん存在するとは思いますが、主に中小企業で成り立つ美容業界は、間違いなく今までより厳しくなると予測できます。
その理由は下記の通りです。
- 一度にサロンに入れるお客様・スタッフの人数制限
- 席を離す事でスペースをフル活用できない
- お客様が美容院内感染を気にして周期が遅くなる
- 外出制限・在宅勤務によって髪型を気にしなくなる人の増加
このような現象が既に起きてるし、おそらく完全に終息しない限りはサロン側も徹底して対応することが求められるでしょう。
そうなると、コロナが流行する前のように予約を詰めて入れてたサロンが、少人数のお客様しかこなせなくなり、必然的に売上も減少するのは当たり前の話ですよね。
そうなれば元々スタッフが一人とか二人でやってるサロンの場合は、客数の減少による体力(資金)が持たなくて廃業。
また大規模なサロンの場合は、その分、家賃やお給料の固定費が大きいし、いきなり倒産とまではいかなくても、固定費を減らす為に人員を削減する等、より縮小することを選ぶ経営者も多いはず。
これらの理由から、今まで月100万円を売り上げてたスタイリストでも、この先半分程度に下がるのは容易に考えられる訳で、ある意味実力のある美容師・企業しか生き残れない困難な時代になると思います。
だからこそ後で詳しく説明しますが、”美容師+副業”、または”本業があって美容師自体を副業にする人”が、これから本格的に増えることが予測出来るんですね。
低単価サロンの衰退
これも先ほどの話と繋がることですが、そもそも低単価のサロンは価格が安いからこそ数をこなして回さないといけない訳で、一度に出来る人数に制限があるこれからの時代は、売り上げを大きく上げることは見込めません。
例えば1000円カットだと、今までであれば、1時間でスタイリスト数名で何十人とかやれてたとしても、席を一つ空けたり、毎回使用後の消毒の肯定を踏むことで、従来の半分程度のお客様しかできないと思います。
そうすれば単純に売上も半分に落ちる訳で、一つの店舗に必要な美容師の人数も少なくて済むようになるでしょう。
もちろん全ての店舗に影響が出るとは言いませんが、単価を上げない限り売上が下がるのは目に見えてるし、と言うことは自分の給料もいつかは下がる訳で、今後のキャリアに関して真剣に考える人も確実に増える。
また1000円カット以外のサロンも、今まで他店より安いのを売りにしていた所が、必然的に単価を上げないと生き残れない状況になるだろうし、多かれ少なかれ、美容業界全体が縮小するのは間違いないです。
なので今このタイミングだからこそ自分の将来を踏まえて、人によっては転職を考えてみるのも有りなのではないかと思います。
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会社に所属しないフリーの美容師が大量に誕生
フリーランス美容師に関しては、数年前から話題になっていましたが、いわゆる昔からある面貸しみたいな制度。
でも実際やってみると、お金などの自己管理が大変と言うこともあって、またサロンに戻った人もいるそうですが、そういった人でもこれからは半強制的にフリーで働くことになると思います。
要はこれから美容院の経営自体困難な時代が来るのと同時に、箱(店舗)の必要性の有無を問われることになるでしょう。
例えば、あるサロン内に10席あったとしても、毎日フル稼働できる店舗と、そうではないところもありますよね。
そういった現在の状況に対してこれから客数の減少や、スタッフの削減などを考えると、せっかくの空間を持て余すことになってしまう。
だとしたらその場所を誰かに貸して、「店舗の売上+家賃収入」みたいに副収入を得れば良い訳で、オーナーにとっては誰かを雇うよりも効率的に収益をプラスにできる訳です。
逆に美容師側からしても、フリーになれば会社に所属している訳ではないので、毎月場所代さえ支払えば、自分次第でサロンに所属してる時よりも高収入を見込める。
集客に関しても、今はネットやSNSを活用して個人でいくらでも集めることはできるので、実はやり方さえ間違わなければ難しい話ではありません。
後フリーになるメリットは、サロン内で誰かのヘルプに付いたりとか、アシスタントの指導も必要なくなるので、自分の時間を取りやすくなると言うのも、人によっては嬉しい方もいるでしょう。
ただしフリーになると言うことは、店舗を持たない状態で独立したのと一緒の形態になるので、売上も税金も予約の管理も、全て自己管理の元で活動しなければいけません。
また、既に顧客をたくさん抱えている人は場所さえあれば食べていくことはできますが、まだ客数が少ない状態でフリーになっても余裕のある生活は難しいと思います。
なのでフリーの美容師になっても活躍できる人とは、既に実力がある方や、自己管理ができる人には最適であり、逆にそうじゃない人にとってはただ苦しいだけなので、その辺はしっかり考えたうえで行動するようにしてください。
”美容師×テクノロジー”が必須の時代
先ほどから述べているように、これからお店に所属して雇ってもらうと言う概念が確実に変わります。
例えば今既にYoutubeを見ると、現役の美容師さんがカットの仕方や薬剤に関して等、丁寧に説明している動画がたくさんアップされてますよね。
ある意味学生の段階からそのような方達の情報を収集し、技術を見様見真似で練習すれば、器用な人だったらお客様を担当できるぐらいのレベルまで上達させることは可能だと思います。
分かってますよ。そう言われても「美容の技術はそんな簡単じゃない!舐めんな!」と言いたくなりますよね。
でもこれからは実力のある人・企業だけが生き残り、そうじゃない人は美容師一本で食べていくことが難しくなる。
美容師として忙しい人と暇な人で収入が大きく離れるのはもちろん、空いた時間を活用できる人と何もしない人では、明らかに人生の充実度も変わってくる。
と言うことは、美容師ならではの知識や経験値を使って、自分でビジネスを始めれば良いんです。
例えば今回のようにパンデミックが流行してしまうと、お店を休業しなければいけないとか、雇われていた人達が自宅待機を余儀なくされていましたよね。
その間に会社側が給料の保証をしてくれればまだいいですが、人によっては無収入で1ヶ月程度休んでいた人もいるでしょう。
じゃあここで質問です。
「その期間にZOOMで誰かの相談を受けたりしましたか?」
「ネットを活用してアシスタントとか美容学生にアドバイスをしてお金を稼いだ人いますか?」
「ブログやYoutubeを始めて発信活動でお金を稼いだ方いますか?」
おそらくほとんどの方がやってないでしょうし、ただゆっくりYoutubeや映画を見ていたのではないでしょうか。
でも今の時代は、「お金を得る=仕事」になる事は世の中にたくさん存在している訳で、自分で仕事を作り出していかないと食べていくことが困難な時代に突入してるんです。
美容師はサロンにいないと仕事ができないと言うのは単なる言い訳で、時間もスキルも持て余しているだけで本当に勿体ない。
何かしらの活動で100円でも稼いだらそれは仕事であり、美容師だから美容一本で勝負なんて考え方が古過ぎます。
これだけテクノロジーが発達しているならそれをフル活用していけば、美容師の給料が安いなんて気にならないし、副業の方が収入が高いなんて人がゴロゴロいる時代です。
アシスタントとかスタイリストとか関係ありません。やるかやらないか、それだけです。
ベテランの美容師さんなら、日本中にいる若い人達にLIVE機能を使って講習会を開いてみたらどうですか?
映像では実践による技術的な指導は難しかったとしても、ホワイトボードなどで知識や技術の基礎を教える事は可能ですよね?
そういうのが当たり前になっていけば、将来的にはVRとかを活用して直接有名美容師からご指導頂くなんて事もあり得ると思います。
アシスタントがスタイリストにお金を払って技術を学び、スタイリストは副収入を得ながら好きな美容師をやっていく。
今後間違いなく”美容師×テクノロジー”が必須になってくるので、オフラインで接客をするだけではなく、今からネットの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
2019年頃から副業解禁、2020年には新型コロナウイルスによる外出自粛で、日本中にリモートワークが普及しました。 その結果多種多様な雇用の形だけではなく、一人一人の生き方そのものまで変化している状況です。 このまま行くと近い将来、出勤 […]
美容師×副業 or 美容師を副業にする新しい働き方
今回説明してきた事を総括して最後にまとめると、これから僕達美容師が生き抜いていく為にはこの3つしかありません。
- 超高単価の美容師
- 美容師+副業
- 本業+美容師(副業)
今までであれば美容師さんは忙しくて時間がないうえに、収入が低いと言う時代を経てきましたが、これからは「高単価が取れる美容師」以外は、「美容師×副業」が当たり前になると思います。
まず高単価の美容師さんになる条件は、
- オフライン・オンライン共に有名
- SNSのフォロワーが○万人以上
- 既に予約が取れないほど人気
これらに当てはまる人は業界全体が衰退しても、家に出張する等、切る場所さえあれば食べていくことは容易にできます。
それぐらい有名だと、〇〇さんに切ってもらう事をステータスにしてるお客様なので、転職しようが、フリーになろうが、独立しようが顧客として根付いていれば、収入に困るということは無いでしょう。
じゃあそれ以外の美容師さんはどうかというと、「美容師×副業」もしくは「本業×美容師(副業)」しか方法がありません。
例えば「美容師×副業」に関しては、本業として美容師をやりながらYoutubeをやるとか、ブログを始める、ネットビジネス等、今の時代お金を稼ぐ手段はたくさんあるので、本業の収入+副業で稼ぐようにすれば十分生活できます。
そうする事で、フレキシブルな働き方(労働時間の制約が無い)というのが業界の常識になるでしょう。
では逆に「本業×美容師(副業)」に関しては、これがまさに僕自身が数年前からやってることで、自分でビジネスを始める為に色々なことに手を付けてきました。
- 海外移住+休日美容師
- 農家+美容師
- ブロガー+美容師
- Youtuber+美容師
- 動画クリエーター+美容師
- 留学エージェント+美容師
自分の中では美容師を副業だと思ったことはないですが、自分が好きなことや興味がある事を続けてたら仕事になって本業になっただけの話です。
こういった働き方を自分で作り出すことができれば、週に数日美容師をやりながら、それ以外は本業に専念するという新しい美容師の概念を生み出すことにも繋がります。
もちろんこれが良いか悪いかは人それぞれだと思いますが、美容師を続けながら他業種に挑戦するというのは、これからの時代的に必須だと思うんですね。
とにかく美容業界も多様な働き方を認知し、それに伴ってテクノロジーを掛け合わせる事で、好きな事を仕事にしながら効率的に収入を増やしていく。
いいですか、仕事はもらうものではなく自分で作り出すものである事を絶対に忘れないでください。
個人的にアフターコロナは、美容業界だけでなく、社会全体の仕組みが大きく変わると思ってるので、新しい時代に向けて思考そのものを根本的に変えて備えておく事をオススメします。
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まとめ
ということで今回はこれからの新しい美容師の働き方についてお話しさせて頂きました。
もちろん全ての事柄が当たるということはなく、あくまで個人的な予測の範囲でしかないので、鵜呑みにしないようにしてください。
ただこれからの時代性や、コロナによる影響を考えると、今までの常識は間違いなく通用しなくなるし、その影響が業界全体に及ぶので、そうなれば倒産やリストラなどが起きるのは当たり前の話です。
そうなる前に備えておくのが僕達がしなければいけないことであって、時代の変化に沿って価値観や思考そのものを変えて行かないといけないのも事実。
美容師の仕事が好きだから、美容の価値を世の中に残したいからこそ、新しい常識を僕達の手で作り上げていき、業界全体がまた再燃するようみんなで協力してウェーブを起こしていきたいですね。
では今回は以上になりますが、個人的にもこの記事で挙げた内容をビジネスに繋げられるよう動いていきたいと思っているので、興味がある方や協力してくれる方はご連絡ください。
希望に満ち溢れ、野望をお持ちの方、お待ちしております。
ではまた!Bye!!
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