最近特にですが、昔よりも高齢者が増えた気がしませんか?
既に皆さんもご存知の通り、日本は世界でトップの少子高齢化が深刻な国の一つです。
「その話は知ってるけど現状困っていないし…」「何が問題なのかよく分からない…」という方もいるでしょう。
ただそう言っていられるうちは良くても、今後の未来で待ち受けているのは楽観視できない現実です。
要は、実感し始めた時では既に遅いということ。
ぜひ今回の記事を通して、子供が減り、高齢者が増えることの何が問題なのか、学ぶきっかけにしてもらえたらと思います。
結局少子高齢化の何が問題なのか?

まずは少子高齢化の何がヤバイのかをよく知らない方の為に下記に簡単にまとめてみました。
正直このまま行くと日本の未来は暗いので、今一度日本国民として真剣に向き合う必要があると思います。
- 労働力人口の不足
- 若者の負担増=手取りが減る
- 年金・健康保険制度の崩壊
- 死ぬまで働くことになる
- 日本経済の衰退
【問題①】労働力人口の不足
少子高齢化は名前の通り、子供が減って高齢者が増えることを表すので、時間が経てば経つほど労働力人口(社会に出て働ける年代)が問題になってきます。
この流れは既に始まっており、会社は黒字だけど後継者がいない、または人手不足で倒産・廃業せざるを得ない企業がたくさん存在しています。
また中小企業を中心に労働力が減少するということは、日本のモノづくり産業の消失を表し、生産性・成長率共に低下、労働者の収入が減り、国民の負担だけが増える悪循環に陥ってしまうのです。
【問題②】若者の負担増=手取りが減る
会社員として働く人達の年収は昔と変わらなくても、手取りで手元に残るお金が減ってることに多くのサラリーマンは気づいていません。
その理由は定期的に行われる税制改正による影響と、所得税、住民税、厚生年金、健康保険料含めて金額がアップしているのが原因です。
他にも物価の上昇も昔とは比べ物にならないぐらい上がっていて、同じ家電でも様々な機能が付いた分、10万円以下で買えない物ばかりが売られていますよね。
またそういった現状をニュースで発表しているとは言え、大々的に国民に伝えていないので、多くの会社員が知らないことに問題が隠されていると思います。
この先も若者の負担だけが増えて手取りが減るのは、考えなくても予測ができるのではないでしょうか。
【問題③】年金・健康保険制度の崩壊
年金や健康保険制度は現役の若者から徴収し、高齢者に支払われる仕組みを採用していますが、今後もこのまま維持できるとは思わない方がいいでしょう。
もちろん崩壊しないように様々な策を打ってくるとは思いますが、その分、若者への負担を大幅に増やすか、支給年齢の引き上げ、抜本的な少子高齢化対策が行われない限り難しいと思います。
また現在は健康保険制度があることによって、1~3割の負担で医療を受けることができていますが、維持ができなければ医療費の高騰は免れません。
崩壊とまではいかなくても、プラスの方向に転じるのは現実的ではないと思います。
【問題④】死ぬまで働くことになる
定年年齢を65歳未満に定めている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、「65歳までの定年の引上げ」「65歳までの継続雇用制度の導入」「定年の廃止」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を実施する必要があります。(高年齢者雇用安定法第9条)
現在少子高齢化や人手不足解消の為に、高年齢者の定年を65歳まで引き上げる措置を行っており、今後は70歳、75歳へと変更する可能性があります。
ただ高齢者を働かせるデメリットとして、肉体的な労働をさせる身体への危険性、ITなどのテクノロジーへ対応できないなど、問題を挙げたらキリがありません。
若者達が高齢者になる頃までに革命でも起きない限り、私達は死ぬまで働くことになるでしょう。
【問題⑤】日本経済の衰退
少子高齢化によって現役の若者世代が減少すれば、国力にも大きく影響する為、今後は経済が衰退することが予測されています。
経済が衰退すれば様々な企業の倒産、貧困層の増加、公的サービスが受けられなくなり、今の当たり前の生活ができなくなる可能性すらあります。
またこの事態に危機感を持つ人は海外に移住するようになり、優秀な人材は海外へ、能力の低い人材だけが残ってしまい、日本ブランドを維持できなくなってしまうでしょう。
少子高齢化の影響

少子高齢化による未来予測は上のグラフを見れば一目瞭然だよね。
高齢者が増えるばかりか全体の人口も大幅に減っている事態は、もう既に現象として表れています。
少子高齢化の影響
少子高齢化が解決されない理由

上記のアンケートを見て分かるように、子供を産むかどうかよりも収入や社会的な問題の方が日本は深刻なんだよね。
例えば子育て中のママに対する配慮の欠如、夫婦共に家事や子育てにかける時間がない、仕事との両立が難しくて解雇されたなど、子育てがしにくい環境を自分達で作ってしまっているんだ。
それだといくら個人が子供を作りたくても、社会的に認められる環境を提供できていなければ根本的な解決にはならないよね。
では少子高齢化が解決されない理由について簡単にまとめました。
- 医療の発達で寿命が伸びた
- 健康習慣の需要の高まり
- 生活に余裕がない(時間・お金)
- 結婚や子育てに対する価値観の変化
- 女性が社会で活躍できるようになった
- 未婚率・晩婚化の増加
- 主婦に優しい生活環境が整っていない
少子高齢化の解決策
【解決策①】日本政府の対策
2003年に日本国内における少子化対策の為、「少子化社会対策基本法」を制定しました。
子どもがひとしく心身ともに健やかに育ち、子どもを生み、育てる者が真に誇りと喜びを感じることのできる社会を実現し、少子化の進展に歯止めをかけることが求められている旨等を規定。
・雇用環境の整備(10条)
・保育サービス等の充実(11条)
・地域社会における子育て支援体制の整備(12条)
・母子保健医療体制の充実等(13条)
・ゆとりのある教育の推進等(14条)
・生活環境の整備(15条)
・経済的負担の軽減(16条)
・教育及び啓発(17条)
それ以降、下記のような対策を行っています。
- 次世代育成支援対策推進法
- 少子化社会対策大綱
- 子ども・子育て応援プラン
- 待機児童解消加速化プラン
- 放課後子ども総合プラン
- ニッポン一億総活躍プラン
- 働き方改革実行計画
- 子育て安心プラン
- 新しい経済政策パッケージ

意外とみんなが知らないだけで、実は政府はちゃんと動いてくれてるんだよね。
ただ国民が理解できるように伝えていないことと、この対策自体が機能してるかどうかは別問題。
せっかくやるなら成果として残さないといけない訳で、それには国民全員が一つになって解決する動きをしなければこの問題は今後も無くならないと思う。
【解決策②】働きやすい環境作り
最近は働き方に関しても多様化が進んでいて、フリーランスが活躍しやすい職場や、子育て後のママの都合に合わせた環境を提供する流れが徐々に拡大しています。
やはり子育てをすると言っても、安定した収入がなければまともな生活を送ることすらできません。
また昔よりも夫の給料だけでは生活できない家庭が増え、出産後すぐに復帰しないと食べていけないというのが実情です。
その為にも政府・企業と共に様々な対策を打ち出しています。
(2)働き方の改革
・若者の就労支援
・パートタイム労働者の均衡処遇の推進
・女性の継続就労・再就職支援
・企業の子育て支援の取組の推進
・長時間労働の是正等の働き方の見直し
・働き方の見直しを含む官民一体子育て支援推進運動(3)その他重要な施策
・子育てを支援する税制等を検討
・里親・養子縁組制度の促進と広報・啓発
・地域の退職者、高齢者等の人材活用による世代間交流の推進
・児童虐待防止対策及び要保護児童対策の強化
・母子家庭等の総合的な自立支援対策の推進
・食育の推進
・家族用住宅、三世代同居・近居の支援
・結婚相談業等に関する認証制度の創設
【解決策③】社会全体の意識改革
高齢化社会を解決する様々な案を掲げてる政府ですが、やはりそこに賛同する国民、地域の協力なくして実現はできません。
現代は様々な家族の形があり、子育ても働き方も、家族の在り方も多種多様な世の中になっています。
しかし子供やママに対して嫌悪感を抱く人々や、日本全体に子供を作りにくい生活環境になっているのも事実です。
ただこのまま少子化が進んでしまえば、その負担は私達自身に問題が降り注ぎ、結果的に自分達首をしめることになってしまいます。
そうならない為にも一人一人が家族の大切さを理解し、子どもの誕生を祝い、ママが生活しやすい環境を作っていくことが社会全体の責任であり、意識改革をすることが求められると思います。
まとめ
皆さんも頭のどこかでは、このまま高齢化が進めばヤバイという事は理解してると思います。
もちろん政府も放置という訳にはいかないでしょうから、様々な対策が成功に導く可能性もあるでしょう。
ただその為には、ある意味強行突破をしないと本当の意味で解決はしないと思います。
僕が尊敬する知り合いの方が少子高齢化について語られた事がかなり的を得ていたので、ここでシェアさせて頂きます。
”中途半端な政策を考えるより、「結婚しないと罰金、子供産まないと社会保障なし、その代わり全力で国がサポートするよ」ぐらいの政策を行えば自然と子供が増えるのにね”
確かにこの政策はかなり強制的であり、全ての人が納得できるような事ではありません。
ただ、今後の日本を支えていくうえで必要な要素でもあると思います。
そして私達にできる事は、しっかり未来を見据えて少子高齢化対策に真剣に向き合う事。
そうしないといつの日か子供が大きくなった時に、厳しい世の中で生き抜く我が子の姿を見ることになるでしょう。
そんな日が訪れない為にも一人一人の意識改革から始める必要があると思います。
では今回も読んで頂きありがとうございました。
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